僕らの日常の中でのコミニュケーションの中心に あるのは、
言葉であったり最近はメールだったり する訳だけども、
どちらにしても要点だけを伝え るのは難しい。
余計な誤解を生まない様に伝えよ うとすればするほど説明的になって
今度は何も伝 わらなくなる。

送る側と受け取る側それぞれの信頼感と距離感、
お互いがそれを理解してこそ初めて伝わるものが ある様に思う
そして要点だけを話す事が出来るのだろうと。

僕の場合、その言葉と同じように何かを誰かに伝える為に絵を描く。

ただ言葉と違うのは共通の言語がない自由さと不自由さ。
この絵は当時グループ展で発表したもの。
今振り返るとこのころから少しずつ絵を通して
僕の言葉で表せない何かを伝える事が出来はじめた 時期だったように思える。

展覧会をくり返し続ける事で僕の作品を見てくれ た人達との信頼感と
距離感が現在の僕の絵のスタ イルを作ってくれたんだと感じている。
そういう 意味で初期の作品として今回久しぶりに見て頂こ うと。



この頃は漁港に行ってこうして船描いてたな。
デッサンして、で、漁師のおじさんに声かけてね、 船に乗っけてもらって、
縁のとこに腰掛けて、
漁の話やら世間話やらするの。 二人でタバコ吸いながらねえ。
絵を描く時は上手に描くよりね、そういう話とか 海の温度とか船の上で感じる波の揺れる感覚とか、
そういうのを絵で伝えてたいと思う。 とても難しいけど。
今は描き方として表現手法は 変わったけど、この辺りの事は今も思ってるし変わらないだろうね。
あの時の漁師のおじさん達ありがとう。 俺、まだやってるよぉ。



ARTの頁で紹介している作品に関しても言えるのですが、
とにかく新しいモチーフを表現する時はまず写実的に描く。
それをすることで見えない部分が見えてくるから。
最後にポイントとなる部分だけ残して後は省く。
我が家のくう(猫)もそのように描いた。
こちらの作品はチワワの恋くん心愛さん夫妻。
こちらは習作ではなく、完成作。
EARLYの頁で紹介させて頂いたけど、
実はかなり最近の作品。描いてて楽しかったな。
2003年 右近こうじ
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